![]() 戦闘攻撃機 F/A-18 ホーネット 数の上では今や米空母の主力となっている戦闘攻撃機です。もともとは高価なF-14を補助する安価な戦闘機というものでしたが,同一の機体で戦闘機としても攻撃機としても使える多目的機となりました。レーダー,火器管制装置なども高性能なものを搭載し,機体にも複合材料などの最新技術を導入した結果相当高価な機体になってしまいました。 戦闘機にも攻撃機にも使用可能で運用効率が高いのですが,戦闘機としてはF-14に,攻撃機としては(代替として退役した)A-7にそれぞれ劣っているためパイロットの評価は今ひとつです。特に航続力の不足が欠点とされています。 しかし最新の技術で作られただけあり,航空ショーではF-14やF-16が旧式機に見えてしまうようなパワフルな飛行を見せてくれます。遠距離からの多目標同時攻撃ではF-14に次ぐ性能を持ち,近距離での格闘戦では西側現用機の中では最高の空戦能力を持っていると思われます。 戦闘能力と無関係な欠点を挙げると,エンジンが低バイパス比のターボジェットエンジンなため,特にアフターバーナー使用時の騒音が腹に響くような重低音で非常に騒さいことです。この飛行機に夜間着艦訓練をされたら,周辺の住民はたまったものではないでしょう。 |
![]() F/A-18 ホーネットの主翼折畳み機構 上方に折畳まれた翼の下面(こちら側)に見えるポッド状のものは,操縦翼面を動かす油圧アクチュエータの収納部でしょう。ホーネットはフライ・バイ・ワイヤ(FBW)による操縦系統を持っていますが,最終的に翼面を作動させるのは従来の機体もFBW機も油圧アクチュエータです。 油圧ポンプによって圧力タンクに高圧油を貯めておき(圧縮空気により圧力を掛けておく),パイプを通じて油圧アクチュエータまで導きます。制御バルブによって油圧シリンダへ圧力油を入れ,その圧力でプランジャを動かしてその先を動翼につなげるわけです。 従来の操縦法式では操縦席から油圧アクチュエータユニットまでロッドを延ばし,ロッドを油圧バルブの操作ユニットにつなげます。ロッドの物理的移動に応じて油圧が操作され,プランジャが動いて舵面を操作します。 FBWの場合,操縦桿の動きは電気信号に変えられ,コンピュータで必要な補正を受けた後,電線(ワイヤ)を通じて油圧アクチュエータに送られ,操作ユニットがその電気信号に応じてバルブを操作し舵面を動かします。 FBWではパイロットが操作していないときもコンピュータが常に舵面をコントロールし続けています。たとえば動的に不安定な機体,つまり空力中心が重心より前方にあってそのままでは直進しないような機体では,機体の姿勢変化を常に監視して一定の方向へ飛び続けるように常に舵面を微調整します。そんな不安定な機体を作って何がうれしいかは,いつか航空機のページを作ったときに書いてみたいと思います。 |
![]() 対潜哨戒機 S-3バイキング 双発のジェット対潜哨戒機です。今日の海軍力の2大支柱が空母機動部隊と原子力潜水艦であり,敵潜水艦が行動している場合は空母機動部隊といえども迂闊に航海はできないので,対潜哨戒機の役割は非常に大きなものがあります。しかし最近ではアクラ級以降のロシアの原子力潜水艦が非常に静粛化を進めており,対潜哨戒機のソノブイがそれらにどの程度有効かは疑問もあります。 なお本機は改修されて対艦ミサイルハープーンを装備でき,艦船への攻撃力を備えています。 |
![]() S-3バイキングの主翼折り畳み機構 亜音速で飛ぶため,ホーネットに比べると格段に厚い主翼です。現代の航空機ですから,当然層流翼でしょう。強度の保持機構は以外に華奢な構造です。穴の開いた金具が主翼下面部にあって,外翼と内翼の金具が互い違いに並んだところで,その孔にロッドを貫通させて留める構造になっています。 |