インディ見学記(2)

空母インディペンデンス見学記(2/8)


F-14トムキャット

 前の写真の左側を見たところ。後ろの開口部は左舷エレベータ(アングルドデッキ最前部)。なおこの位置にエレベータを設置すると,エレベータを降ろしているとアングルドデッキからの発艦も着艦もできず,また波による影響も大きいため,キティー・ホーク級からは後部に移設されました。

 見学者の間からはF-14を見て「模型でしょ?」といった発言があり,ノーズコーン(見学位置から手が届く)を叩いて「プラスチックでできてる。やっぱり模型じゃないの?」と言っていました。確かにノーズの部分はレドームになっていて,電波を通すために金属ではないのですが‥‥。

 戦闘機の下では米軍のパイロットらしき人と海自の士官らしい人が見学者へ説明をしていました。おりしも翌日は札幌市内の丘珠(おかだま)空港で隔年開催の航空祭があり,それにインディペンデンスの艦載機も参加することになっていました。その艦載機はどうやって丘珠空港へ飛んでくるのか不思議だったので(接岸中の空母から発艦はできないから)聞いてみたかったが,質問が途切れることなく続いていたのであきらめる。よく考えたら入港前に近くの米軍基地へ退避させておき,そこから丘珠へ飛んできたのだった。今回は入港期間が短かったので,ほとんどの艦載機は飛行甲板へ搭載されたままになっていたようです。

 もう一つ,F/A-18ホーネットの機関砲は操縦席の直前に付いていますが,これを夜間に発射したらパイロットの目が眩まないか聞いてみたかったのですが,答えてもらえないのではないかと不安でした。

可変排気ノズル

 このトムキャットのノズル形状(プラット&ホイットニーTF30ターボファン)から本機がA型であることが分かります。不安定なこのエンジンはF-14の最大の欠点で,早々にエンジンを換装したB型に移行するはずでしたが,予算難によりいまだにA型が大部分を占めます。

 ジェット戦闘機につきものの可変排気ノズルはジェットエンジンの変速機です(船でいう可変ピッチプロペラとも言えます)。タービン出口の圧力が同じなら,ジェットエンジンの推力はノズルの開口面積に比例します。低速の時は面積を大きくすると,排気流速が落ちる代り推力が大きくなります。速度が上がると面積を絞って流速を上げます。排気の流速は,理想的には機体の速度と同じ(つまり外気に対して静止)であれば100%の推進効率が得られますが,実際にはもっと速くする必要があります。機速に対して速すぎても遅すぎても効率が低下するので,可変ノズルで最適な流速にするわけです。亜音速でしか飛ばない旅客機ならあまり必要ありませんが,超音速戦闘機,特にアフターバーナーをつけた機体では効率的な飛行にはこの装置が不可欠になります。

 アフターバーナーを点火すると排気の流量(体積流量)が増加するので,一定の流速に対してノズル面積を大きくすることで推力が大きくなります。ノズルを開かないと,推力は余り変らず排気流速が大きくなるので最高速度が増加します。

サイドワインダー

 青く塗られているのは演習用?

弾頭部

 USS INDEPENDENCE の書込みは,いわゆるロー・ビジビリティー(低視認性)塗装ですね。


←戻る上がる↑進む→