戦艦 大和・武蔵
Battleship "Yamato, Musashi"
大和設計の背景
大和の建造時の至上命題は,米国戦艦を圧倒する戦闘力を必要最小限の排水量で実現することでした。大和の排水量の割に短い全長,反対に広い艦幅,徹底した集中防御,遅い艦速などはこの結果生じたものです。
大きさについていえば,搭載する主砲と防御力の割に排水量は小さいことが特徴です。もちろん世界最大には違いありませんが,本来ならあと1万トンほど大きくなるところを建造費節減のため必死の努力によりあの小ささにまとめたのです。排水量を節約するにも防御力を高めるにも,艦形はなるべく表面積の少ない球に近い形状,つまり全長が短く艦幅の広い形が有利です。喫水は港の深さに制限されてあまり深くできないため,結局短く太く浅いという,あまりスマートとは言えない艦形となりました。
小型化のために犠牲にされたのは速力です。当初は30〜31ktの速力が要求されましたが,排水量を抑える必要上機関出力を低くし,最大速力27ktと列国の新造戦艦中で最低速となりました。これは結果的に大和の存在意義さえ失わせる致命的欠点となり,完成した大和は低速ゆえほとんど戦闘に参加する機会がなく,宝の持ち腐れというよりはお荷物(大和1隻分の予算と資源で,空母なら2〜3隻,重巡洋艦なら4〜5隻作れる)となってしまいました。
武装・防御・船体・性能などの各論は以下のページにて議論します。
執筆中・未執筆のものに関して,目次はあくまで目安であり完成版は目次とは異なりますのでご了承下さい。書き上がるまでは私にもどうなるか分かりません。
98.9.21 【武 装】に記事追加
【特徴と要目】 ・一般的特徴
・主要要目一覧表
・機関要目 〃
・主要兵装 〃
【武 装】 ●主 砲
・一般的な特徴
・要目一覧表
・主砲配置について
・46cm砲の実力
●副 砲
●高角砲
●機 銃
●おまけ 46cm砲は何馬力か?【New】
【防 御】
(執筆中)●一般的な特徴
●直接防御について
・予備知識 安全戦闘距離
・水平・対爆弾防御
・水線部防御
・水雷防御と水中弾防御
・舵取り機室の防御
・装甲鈑の材質
・装甲の接合部
・蜂の巣甲鈑
●間接防御について
・大和級の水密区画
・注排水能力(ダメージコントロール)
●大和の弱点
・副砲の防御
・水線装甲下端の支持構造
・艦底部の無防御区画
・非防御区画
・水密区画の設計
●総評:大和級の防御力
【船 体】
(執筆中)●艦形一般
●波形の甲板
●球状艦首
●鋼板の接合法:溶接廃止と重ね合せ接手
●装甲板の強度部材としての利用
●安定性,復元性
【機関・航海】 ●ボイラー・主機
●機関配置
●操舵機
●推進器
●速力,航続力,旋回性能
【その他の艤装】 ●発電機
●水圧機
●火薬庫冷却器(冷房装置)
●飛行機格納庫
●短艇格納庫
【大和級の実力】 ●大和とアイオワ,最強の戦艦はどちらか?
【大和級改善案】 ●大和の弱点
●弱点を補強するには
【大和級総評】